「愛してるよ、ルルーシュ」
パァン!!!!!
銃声 は 鳴り響いた 1
わかっていた、こうなることくらい。
わかっていた、最初から。
わかっていたんだ、心のどこかで、ずっと。
ずっと。
「久しぶりだな、スザク」
「懐かしいよ、ルルーシュ」
そうやって、俺たちは笑顔で挨拶を交わす。
・・・偽りの、笑顔で。
俺の初めての友達だったスザク。
個人主義で、いつでも俺を引っ張っていったスザク。
何があっても正義だけは貫き通していた、スザク。
「俺」が「僕」になっていたスザク。
やわらかく笑うようになったスザク。
周りのことを考え、行動するようになったスザク。
だけど、やっぱり正義だけは貫き通していた、スザク。
7年振りに逢ったスザクは、以前より丸く、やわらかくなっていた。
でも、接していくうちに、スザクはやっぱりスザクだと思った。
殺したいほど憎い人間がいると言ったスザク。
俺のすべてを否定したスザク。
俺を皇帝に売り払い、地位と力を手に入れたスザク。
俺を映す翡翠の瞳に、深い憎悪の色を宿していた、スザク。
スザクが正義だというのならば、俺は悪なのだろう。
ここまでスザクを変えてしまったのは、紛れもない、
この俺、だ。
俺の行動が、存在が、すべてがスザクを追い込んだ。
裏切ったのは俺。
騙したのも俺。
大切なものを奪ったのも俺。
スザクの気持ちを踏みにじったのも、俺。
復学してきたスザクの瞳の奥には、なぜか、深い哀しみの色が見えた気がした。
俺のせいだ、全部、ぜんぶ。
だから決めたんだ、悪になろうと。
悪は、正義に討たれる存在だ。
だから俺は、スザクに討たれるべく、悪になろうと。
俺を憎めばいい。
俺だけを、憎めばいい。
そうしてすべてを闇へと葬り去ってしまえばいい。
俺を、闇へと葬り去ってしまえばいい。
お前の、その哀しみとともに。
だから再び仮面を被る。
ゼロという名の仮面を。
目印を。
さあ、早く追って来いよ、スザク。
早く俺を、悪を討ちに、来いよ。
それでやっとすべてが終わる。
俺の戦いが、
ゼロという名の反逆者が、
ルルーシュという名の、一人の人間が。
お前に対する最後の願いだ。
命令じゃない、願いだ。
俺のすべてを、終わらせてくれ。
お前のその手で。
それまで俺は、足掻き続ける。
醜く、生にしがみつき。
スザクが躊躇わないように、憎むべき存在を演じてやるさ。
だから、
だからお前が、
お前がすべてに、
俺のすべてに、
終止符(ピリオド)を。
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